馬券で勝つというのはどういうことかということを今一度突き詰めて考えてみますと、多くのレースを小手先起用に的中させ続けることではない、ということが見えてきます。
大事なのは「回収率」で、たとえ1,000円ずつ20レース連続で外したとしても、21レース目で1,000円で買った単勝が25倍つけばその時点で馬券収支はマイナスから一転して黒字へ転換します。
究極を言ってしまうと、この理屈を頭に刷り込んで馬券を買い続ければ、トータル収支が黒字になる日も近くなります。そうです、夢の「投資競馬」が現実のものとなるのです。
馬券成績がトータルでいい線いっているファンの方は、独特の思考を持っています。
先ほどの例(1レース1,000円で買い続ける)はあくまでも単純な買い方ですが、これをもっと複雑にし、20レースに1度くらいのペースで3連単で500倍くらいの配当が的中すればトータル収支黒字になるという作戦で臨んでいる方も珍しくありません。
ちなみに500倍の配当と聞きますと非常にハイリスクハイリターンな買い方に思えますが、3連単というのは平均配当が10万円くらいありますので、3連単オンリーで馬券勝負をする方にとっては3連単で5万円台の配当を的中させることについてはハードルはそれほど高くないのです。
このように聞くと馬券でこれまで負け続けてきた方も一筋の光明が見えたように思われるでしょう。しかし、馬券で勝つにはここから更に上の段階に進まなければなりません。それは、精神力の強さです。
この3連単の件を例にとってみますと、20レースに一度程度当たれば収支は黒字とは分かっていても、連続19レース外している期間、そのストレスに耐えられるかどうかがカギになってきます。
仮に10レース程度3連単を外し続け、その不的中のストレスに耐えられなくなって以前まで買っていた枠連や馬連で目先の的中を追う馬券スタイルに戻ってしまえば意味はありません。
ちなみに3連単で3~4万円までマイナスが膨らんだものを枠連や馬連で取り返そうとしても、なかなかマイナス分を一気に解消するには至りません。
枠連は平均配当が1,800円程度、馬連でも5,000円くらいしかありませんので、「何でもいいから馬券を当てたい」という欲に打ち勝たないと競馬では勝てないのです。
また、「回収率」を上げるには全レースに手を出していても好結果は出ません。
レースを絞り込み、勝負レースのみで馬券を購入するようにスタイルを変える必要があります。
専門紙やスポーツ紙がトータルで黒字にならないのは、全競馬場の全レースの予想を出さないといけないからなのです。